坊っちゃん文学賞とは?
愛媛県松山市が「新しい青春文学の創造」のため創設した賞
坊ちゃん文学賞とは、昭和63年に愛媛県松山市で創設された文学賞です。愛媛県松山市は夏目漱石の『坊ちゃん』で舞台となったことや、正岡子規の生まれの地です。このように文学にゆかりのある街であることから「新しい青春文学の創造」と松山市の文化的イメージPRのために創設されました。
第18回坊ちゃん文学賞では、総数にして6952作品が応募されています。
坊っちゃん文学賞では大賞1名、佳作5名が選出されます。大賞作品は、賞金50万円が送られるほか、雑誌「ダ・ヴィンチ」に掲載が行われます。
公式ホームページ:坊っちゃん文学賞
募集要項は?
坊ちゃん文学賞の応募要項を要約すると、
・4000字以内のショートショート
・テーマ不問
・日本語
・応募資格不問
ということになっています。
詳しくは次のページで紹介されています。
文字数とショートショートという形式以外は特に指定がないため、基本的には自由な作品が応募される文学賞となっているといえます。
2023年に予定されている第19回坊っちゃん文学賞は
2023年9月30日(郵送の場合必着)
が締め切りとなっています。応募を検討している場合には注意しましょう。
結果連絡は、表彰式までに個別に連絡がされるとのことですので、応募した際は結果発表まで待っているほかないようです。
審査員は?
坊っちゃん文学賞の審査員には、審査委員長としてショートショート作家の田丸雅智さん、映画監督の山戸結希さん、声優の大原さやかさんなどが参加しています。
また、坊っちゃん文学賞のアンバサダーはEXILEの白濱亜嵐さんが務めています。
田丸雅智
田丸雅智さんは、松山市生まれの作家で、現代ショートショートの第一人者として知られています。代表作は『海色の壜』、『おとぎカンパニー』などです。作家活動だけでなくショートショートを広める活動も活発にしており、自ら「ショートショート大賞」を立ち上げたり、ショートショートの書き方を講座として行ったり、内容を出版したりしています。公式ホームページでもショートショートの書き方講座のワークシートをダウンロードすることができるので是非チェックしてみてください。
坊っちゃん文学賞の受賞作
第18回の大賞受賞作 『月光キネマ』椿あやか
2022年の第18回坊っちゃん文学賞大賞は『月光キネマ』が受賞しました。
実際の受賞作はこちらから読むことができます。
第17回の大賞受賞作 『ドリームダイバー』山猫軒従業員・黒猫
2021年の第17回坊っちゃん文学賞大賞は『ドリームダイバー』が受賞しました。
実際の受賞作はこちらから読むことができます。
第16回の大賞受賞作 『羽釜』高野ユタ
ショートショートの賞としてリニューアルされた2020年の第16回坊っちゃん文学賞大賞は『羽釜』が受賞しました。
実際の受賞作はこちらから読むことができます。
『夢三十夜 あなたの想像力が紡ぐ物語』
『夢三十夜 あなたの想像力が紡ぐ物語』は坊っちゃん文学賞の受賞作品(第15回〜第17回)と受賞者による書き下ろし作品、30作品を収録した短編集です。
坊っちゃん文学賞の傾向
坊っちゃん文学賞のテーマは?
坊っちゃん文学賞は応募要項上はテーマは不問となっています。しかし、賞の成り立ちに目を向けてみると坊っちゃん文学賞は「新しい青春文学の創造」が目的とされています。実際に青春文学の登竜門としても知られていますので、青春文学をテーマとして書くことが評価の向上につながるかもしれません。
実際に大賞を取っている作品の傾向を見ると、必ずしも主人公が学生であったりするわけではありませんが、青春文学の根幹として描かれることの多い、精神性の幼さや成長についてが描かれているように見受けられます。
また、応募要項には次のようにも書かれています。
「アイデアとそれを生かした印象的な結末のあるショートショートの応募をお待ちしています。」
受賞作品はどの作品もファンタジックに既成概念にとらわれない発想を要素として組み込んでいる印象です。4000字という文字数制限のなかでどれだけ印象的な世界観を表現できるのかという点も重要なポイントのようです。
第16回からショートショートの文学賞に
先ほども述べましたが、坊っちゃん文学賞は第16回からショートショートの文学賞になりました。文字数制限は4000字で非常に短い字数の中で物語を進めていかなければいけません。この点で苦労している場合には、審査委員長の田丸雅智さんのメソッドを参考にしてみるのもいいかもしれません。
まとめ
坊っちゃん文学賞は、愛媛県松山市が主催するショートショートの文学賞でした。
応募を検討している方もそうでない方も過去の大賞、佳作作品はインターネット上で簡単に読むことができますので是非チェックしてみてください。
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