女による女のためのR-18文学賞とは?

目次

女による女のためのR-18文学賞とは

R-18文学賞は新潮社が主催する公募新人文学賞

R-18文学賞は新潮社が主催する公募の新人文学賞です。正式名称は「女による女のためのR-18文学賞」です。

このR-18文学賞は応募者が女性に限られていますが、実は応募者だけでなく、選考委員や下読みの編集者も女性となっています。

大賞には賞金30万円と副賞が授与されます。副賞にはフェリー乗船券などバラエティーに富んだものが用意されています。また、受賞作には新潮社から出版のチャンスもあるそうです。

R-18文学賞の応募要項は?

応募要項は次のページにまとめられています

第22回 女による女のための R-18文学賞 応募要項

簡単にまとめると

・性自認が女性の人

・400字詰め原稿用紙で30~50枚(12000~20000字)まで

・1人3作品まで応募可能

・メールでの応募

となっています。

R-18文学賞は、第10回以前は性について描かれた小説が応募の対象となっていましたが、第11回以降は「書き手の感性を生かした小説」として、テーマについての要項が無くなりました。

第22回の締め切りは2022年の10月28日17時までとなっています。応募を検討している場合には注意しましょう。

R-18文学賞の選考委員は?

R-18文学賞の選考委員には、窪美澄さん、柚木麻子さん、東村アキコさんが参加されています。また、特別選考委員としてタレントの友近さんも参加されています。

窪美澄

窪美澄さんは、第8回のR-18文学賞において「ミクマリ」で大賞を受賞しています。「ミクマリ」を収録した、『ふがいないぼくは空を見た』は山本周五郎賞を受賞、映画化された同作品はトロント国際映画祭にも出品されています。

2022年には『夜に星を放つ』で直木賞も受賞している作家です。

柚木麻子

柚木麻子さんは、2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞している作家です。他には、『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞、ドラマ化した『ランチのアッコちゃん』などで知られています。

東村アキコ

東村アキコさんは、『ママはテンパリスト』、『東京タラレバ娘』などで知られる漫画家です。代表作には、講談社漫画賞少女部門を受賞した『海月姫』、ドラマ化された『偽装不倫』、自身の半生を描いた『かくかくしかじか』などが挙げられます。

女による女のためのR-18文学賞の受賞者

第21回 「救われてんじゃねえよ」上村裕香

2022年第21回の女による女のためのR-18文学賞大賞は上村裕香「救われてんじゃねえよ」が受賞しました。受賞の言葉、インタビュー選評は以下から見ることができます。

女による女のためのR-18文学賞 | 新潮社

第20回 「ありがとう西武大津店」宮島未奈

2021年第20回の女による女のためのR-18文学賞大賞は宮島未奈「ありがとう西武大津店」が受賞しました。

第19回 「何言ってんだ、今ごろ」秋ひのこ

2020年第19回の女による女のためのR-18文学賞大賞は秋ひのこ「何言ってんだ、今ごろ」が受賞しました。

女による女のためのR-18文学賞の傾向は?

一番の特徴は女性限定の賞であること

R-18文学賞の最も特徴的な部分は受賞に関わる全員が女性であることです。応募者、下読み、選考委員、読者選考までもが、すべて女性によって行われます。

新潮社文芸第二編集部の西山さんはこの賞について以下のように話しています。

”(前略) 人生のさまざまな局面で女性が直面する悩みや葛藤、複雑な感情はとても一言で言い表せないものだと思います。妊娠や出産などの個人的体験もそうですし、そこまで特別なことでなくても、日々の生活の中で女性として生きていて感じる不自由さや矛盾、あるいは喜びがあるはず。

だから、「楽しい」「嬉しい」「面白い」などの一言ではとても言い表せない、複雑に入り混じった気持ちを掬い上げた作品を個人的には読んでみたいです。”

書く時間よりも、直す時間をたくさん取ること|「R-18文学賞」 西山奈々子

女性が日々の生活の中で感じる、一言では表せない複雑な感情を作品の要素にすることが1つの評価のポイントとなっているようです。

まとめ

女による女のためのR-18文学賞は新潮社が主催する文学賞で、作品が生まれるところから受賞まで女性だけによってつくられている賞といえるでしょう。過去の受賞作は出版されているものも多くありますので是非読んでみてください。

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この記事を書いた人

文芸Webマガジンあけぼのの編集部です。

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