面白いミステリー小説が読みたい!でも、何を読めばいいのかわからない!というあなたへ。
ミステリー小説を1000冊以上読んできた私、古書屋敷こるのが、鉄板・おすすめミステリをご紹介します!
本格ミステリとは?
あなたは「本格ミステリ」とは何か知っていますか?
よく、ミステリー小説を批評する際に、「これは本格だ!」「これは本格とはいえない」というような議論が散見されます。
いつもミステリー小説の帯についている「本格」って結局なんなの?と思うことも多いはず。
「本格ミステリ」とは、謎解きや論理パズルを作品のメインとしているミステリー小説のことを主に形容します。
その議論は大正時代から行われており、「本格」という言葉を最初に使ったのは甲賀三郎という探偵作家でした。
江戸川乱歩をはじめ、大正〜昭和の時代を代表する探偵小説作家を輩出した『新青年』という探偵小説雑誌でも、本格/変格論争が行われるなど、細かい定義は昔から現代に至るまで議論が重ねられ続けています。
しかし、大概の文脈では、謎解きやトリック、論理パズル的要素が主題のミステリー小説を
「本格ミステリ」と表現していることが多いといえるでしょう。
おすすめ!珠玉の本格ミステリ5選
おすすめの本格ミステリその①:綾辻行人『十角館の殺人』
『十角館の殺人』のあらすじ
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
言わずと知れたミステリー小説の金字塔!
綾辻行人の代表作、「館シリーズ」の一作目。
「本格ミステリはあまり読んだことがないけれど、面白い作品が知りたい!」という人には必ず薦めるほどの大傑作です。
絶海の孤島、クローズドサークル、奇妙な館、取り残された大学生に、連続殺人事件。
ミステリのお約束がこれでもかと詰まった、まさに本格ミステリ入門本といえる一冊。この本をきっかけに、ミステリー小説を好きになったという人もたくさんいるのではないでしょうか。
決してネタバレを踏んではいけない本でもあるので、お手に取る際はご注意を。
おすすめの本格ミステリその②:森博嗣『すべてがFになる』
『すべてがFになる』のあらすじ
密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
理系ミステリといえば森博嗣!
理系ミステリといえばまず最初に名前があがるのは森博嗣その人に他ならないでしょう。
この小説の読者は、精緻な論理の整然とした美しさに打ちのめされる体験を味わうことができます。
天才の頭脳、不可能犯罪、計算し尽くされたトリック。
森博嗣の提供する極上のパズルの虜になってしまう一冊です。
S&Mシリーズという、西之園萌絵と犀川壮平が活躍するシリーズ作品の一冊目でもあります。(全十冊)
読み終わっても続刊をまだまだたくさん楽しめるのは嬉しいですね。
おすすめの本格ミステリその③:島田荘司『占星術殺人事件』
『占星術殺人事件』のあらすじ
密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本部門第三位選出。
ゴッド・オブ・ミステリーとも呼ばれる島田荘司の衝撃のデビュー作にして代表作
重厚なページ数とは裏腹に、読者を引き込み、衝撃的な結末まで連れて行く筆致はお見事というほかありません。
特に後半のスピード感と、謎に迫っていく高揚感は、ミステリー小説好きにはたまらない心地よさです。冒頭の手記や難しそうな占星術の用語で少し身構えてしまうかもしれませんが、間違いなくこの小説は大傑作。
読み終えた時には、達成感と同時に、素晴らしいカタルシスがやってきます。
ぜひ臆さずに挑戦してほしいですね。
「読者への挑戦状」を楽しめる本でもありますよ。
大人気シリーズ、名探偵・御手洗潔と、ワトソン役の石岡和己が活躍する「御手洗潔シリーズ」の一冊目でもあります。頭脳明晰で語学も堪能、眉目秀麗な変人の探偵に、冴えないが愛すべきワトソン役。彼らの冒険をもっと読みたくなること間違いなしの一冊です。
おすすめの本格ミステリその④:歌野晶午『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』のあらすじ
“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである…。リアル殺人ゲームの行き着く先は!?歌野本格の粋を心して堪能せよ。【「BOOK」データベースの商品解説】
倫理的には大問題 しかし、ミステリー小説としては超一級品のエンターテイメント作品!
「謎解きゲーム」を行うために、「実際に殺人事件を起こして出題してしまう」という度肝を抜かれる設定で描かれるミステリー小説。
メンバーは全員が謎解きに挑む名探偵で、全員が殺人者。まさに遊び半分で、否、遊びのために、リアル殺人ゲームを行なっているのです。
不謹慎ですが、これが本当に面白い!不可能に思える殺人が、現実で実行されている以上、不可能を可能にする答え(トリック)がある。複数人のメンバーがいるので、出題者の人数分、たくさんの事件の謎解きをすることができます。
わくわくする気持ちが止まらなくなるミステリー小説です。
おすすめの本格ミステリその⑤:殊能将之『ハサミ男』
『ハサミ男』のあらすじ
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作! 講談社文庫 – 『ハサミ男』(殊能 将之)
ジャンル問わず最高の読書体験を求めるならこの本
この作品はミステリー小説に限らず、「面白い本を教えて」と尋ねられた時、真っ先に思い浮かべる作品です。
この小説で最も目を瞠るべき点は、猟奇殺人鬼であるハサミ男の視点で物語が進んでいく点でしょう。殺人鬼が、自分の模倣犯が現れたことで、その犯人の調査を行う探偵役になってしまうのです。
驚きの事実がいくつも織り込まれた構成や、魅せる演出に満ちた捜査、クライマックスでの犯人との対決。どうなってしまうのか最後までわからない、ページを捲る手が止まらなくなってしまう一冊。
謎解きも大変ロジカルで、端正かつ丁寧に張り巡らされた伏線に、読了後は感嘆のため息をついてしまうほど。
間違いなく最高の読書体験を得ることができる至高の本格ミステリー小説です。
まとめ
以上、おすすめ本格ミステリ5選でした!
みなさんもぜひ、本格ミステリの魅力を味わってくださいね。
コメント