読書をするとしても本の中には様々なジャンルがあります。今回は初めて読書する方やどのような本を読んでいいかわからない方に向けておすすめのジャンルを紹介していきます。
読書初心者におすすめのジャンルは?
今回は読書初心者の方に向けて3つのおすすめジャンルを紹介します
小説
まず、おすすめするのは小説です。小説は簡単にいえば、文章で書かれた物語です。
ドラマや映画のように、作品の中で展開されていく場面や登場人物の心の動きを楽しんでいくものとなります。小説が映画などの映像作品と大きく違っている点は、文字の情報だけで多くのことを想像しながら読み進めていくことになる点です。
小説では、登場人物が見聞きする全てが描写されるわけではありません。例えば、人物の声やモノの詳細について小説を読む際には、想像しながら読んでいくことになります。
このように、小説は想像しながら読むことが求められます。裏を返すと小説を読んでいくことで想像力が鍛えられるといえるでしょう。読書初心者の方の中には、小説を読んで場面を想像するのが難しいと感じる方もいるかもしれません。そのような場合はゆっくりとでいいのでじっくり文章を読み、書いてあることについて考えてみましょう。
段々と想像しながら読むということが身についてくるとどんどん面白く小説を楽しむことができるはずです。
エッセイ
次におすすめするのはエッセイです。エッセイとは日本語では随筆と呼ばれるもので、日本の歴史の中では、『枕草子』や『徒然草』などの作品が有名です。
こう聞くと難しそうなものに思えてしまうかもしれませんが、エッセイとは、筆者が思ったことや感じたこと、体験したことに対する感想や思いを思うがままに書いたものとされています。イメージとしては日記に近いものと考えてもらえればいいかと思います。少し日記と違う点は、人に読んでもらうことを前提として書かれているということです。
また、日記と違う点をもう一つ挙げるのであれば、日記は日々の記録のために書かれるものですが、エッセイは自分がどのような体験をし、どのようなことを思ったのかということが中心に書かれるという点です。
このようなところから想像できるかもしれませんが、小説よりもエッセイの方が比較的読みやすい作品が多いと思います。もちろん小説もおすすめですが、初めての読書の場合、エッセイからチャレンジしてみるのもおすすめです。
ビジネス書
ビジネス書はサラリーマンや経営者の方なら、お仕事に直結しているため読みやすいでしょう。単に面白いだけでなく、普段の仕事にも活用することができると考えると一石二鳥です。
ビジネス書の中には重要なポイントに強調線が引いてあるものなどもあります。このように普段読書をしない方にも読みやすく作られていることもあるので、読書初心者の方にはおすすめのジャンルとなっています。
ビジネス書を読むときのポイントは必ずしもすべてを理解して、納得する必要はないということです。ビジネス書の内容がすべてあなたにぴったりと合うということはなかなかないでしょう。
とはいえ、読んでいく中では、これは役に立ちそうだ、とか今の自分に必要かもしれないと思うことがあるかもしれません。1冊読む中でこんなことを1つか2つピックアップできれば、その本を読んだ価値があると思いますよ。
どのような本が読書初心者でも読みやすい?
おすすめのジャンルはわかったけれど、本屋さんや図書館に行ってみると、星の数ほどある本の中からどれを選べばいいのかということは、難しいポイントです。ここでは、具体的にどのような本にチャレンジしてみればいいのかということを紹介します。
まずはベストセラーにチャレンジ
もっともおすすめするのは、ベストセラー作品にチャレンジしてみることです。ベストセラーということはそれだけ多く人に読まれているということで、比較的わかりやすく、誰が読んでも面白い作品であることが多いです。
名前を聞いたことがある作品や本屋さんで目立つところに置いてある作品は沢山売れていたり、多くの人におすすめされている作品であるため、初めての読書でも楽しめる可能性が高いです。また、ベストセラー作品は、文庫化されていることも多いため、お手頃に手に入れることもできるという点でもおすすめです。
映像化された作品、ノベライズ作品など興味のある作品もおすすめ
もう一つのおすすめの本は、映像化されている作品や逆に映像から小説化された作品です。このような作品は先に映像の方を見ていると登場人物の声やストーリーなどに馴染みがあり読みながら場面を想像しやすく、文章が頭に入ってきやすいのです。
作品によっては映像化するにあたって仕方なくカットされている場面があることもあり、新しい発見ができることもあります。このようにある程度前提となる知識や興味がある作品にチャレンジしてみるというのもおすすめです。
読書初心者におすすめの小説・エッセイ作品4選
最後に実際に読書初心者の方におすすめの作品を紹介していきます。内容に関しては、出来るだけ先入観なく読んで楽しんでほしいと思っているので、最低限の紹介にとどめますが、興味があればぜひ気軽に読んでみてください。
読書初心者におすすめの小説①:雨穴『変な家』
『変な家』はYouTubeで1000万回再生以上されている「【不動産ミステリー】変な家」の続編となる小説です。あらすじとしては、作者の雨穴が知人から「買おうと思っている家の間取りがちょっと変」という相談を受け、知り合いの設計士と間取りを検討する中で段々と奇妙な間取りの真実に近づいていくという内容になっています。
30万部以上の大ヒットを記録しており、まずはYouTubeで作品の雰囲気をつかむことができますのでおすすめの作品です。会話形式で話が進んでいくため、読書初心者の方にも読みやすくわかりやすい作品となっています。
読書初心者におすすめの小説②:梨木香歩『西の魔女が死んだ』
『西の魔女が死んだ』は梨木香帆による長編小説です。この本はジャンルとしては児童文学に割り振られたり、学校の課題図書にも選ばれているので昔に読んだことがある方もいるかもしれません。
課題図書になるような本だからといって子ども向けで、大人が読んでもつまらないかというとそうではありません。大人が読んでも面白く、なおかつ考えさせられる内容となっていますし、それでいて読みやすいというのがこの本の魅力です。
あらすじとしては、喘息をきっかけに不登校となってしまった主人公の「まい」が環境を変えるために、田舎でゆったりとした生活をしているおばあちゃんのもとで生活することになります。
物語のポイントとなるのがタイトルにもあるように、死についてです。死ぬということはどういうことなのか、逆に生きることはどういうことなのか、普段の生活ではあまり考えないことかもしれませんが、是非この作品を通して考えてみて欲しいと思います。
読書初心者におすすめの小説③:池井戸潤『下町ロケット』
『下町ロケット』は池井戸潤による小説で、シリーズ化もされています。テレビドラマ化もされているため、見たことがある方もいるかもしれません。
他の作品で有名なものでは「半沢直樹」シリーズや『陸王』などが挙げられるでしょう。池井戸潤作品で多く取り扱われるのが、サラリーマンやビジネスマンの想いや葛藤です。
この『下町ロケット』では、熱い思いを持って自社製品の可能性に挑戦したい主人公である社長が、大手企業との軋轢や若手との衝突の中で、プライドを貫き通すさまがかっこよく描かれています。
読書初心者におすすめのエッセイ:西加奈子『まにまに』
『まにまに』は作家西加奈子によるエッセイ集です。筆者の日常や、音楽、本への想いが熱くつづられています。筆者は小学校高学年ごろまで海外で過ごし、それ以降は大阪で過ごしてきたことから性格は根っからの大阪人だそうで、そのことが文章からもわかるようなダイレクトに筆者の気持ちや想いが伝わってくる作品になっています。
「第4章 本のこと」では筆者自身が本に寄せる想いと共に、作品の紹介をしています。もし興味の湧いた本があれば次にそれを読んでみるのもいいですね。筆者自身も『サラバ!』という小説で直木賞を受賞している作家ですので、この『まにまに』のあとに読む本にも困らないでしょう。
まとめ
今回は読書初心者の方におすすめのジャンルを紹介していきました。本を読んでみたいけれどなにから読んでみればいいのかわからないという方にとって一番いいのは、興味を持った本をまず読んでみるということだとおもいます。
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