読書感想文の書き出し例文10パターン|すぐ使えるテンプレート付き

読書感想文の書き出し例文10パターン|すぐ使えるテンプレート付き
目次

はじめに

はじめに

読書感想文の書き出しは「型」を知れば誰でもスラスラ書けます。本記事では、実際に使える10パターンの書き出し例文と、作品別のテンプレートを紹介します。

「読書感想文を書かなきゃいけないけど、最初の一文がどうしても思いつかない」「原稿用紙を目の前にして、もう30分以上固まっている」――そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。読書感想文で最もつまずきやすいのが、実は「書き出し」の部分です。感想文の冒頭がうまく決まれば、その後の文章は驚くほどスムーズに流れていきます。逆に、書き出しで悩んでしまうと、いつまでたっても先に進めないという悪循環に陥りがちです。

この記事では、小学生から高校生、さらには大学生や社会人まで幅広く使える「書き出しの型」を10パターンに整理しました。それぞれのパターンについて具体的な例文を複数掲載しているので、自分に合ったものを選んでアレンジするだけで、オリジナリティのある読書感想文が完成します。書き出しのコツをつかんで、今年の読書感想文を気持ちよく仕上げていきましょう。

読書感想文で書き出しが重要な理由

読書感想文で書き出しが重要な理由

第一印象が感想文全体の評価を左右する

読書感想文の審査員や先生が最初に目にするのは、当然ながら冒頭の一文です。ここで「おっ」と思わせることができれば、読み手はその後の文章にも期待を持って読み進めてくれます。青少年読書感想文全国コンクールの入賞作品を分析すると、書き出しに工夫を凝らしている作品が圧倒的に多いことがわかります。つまり、書き出しは感想文全体の「顔」であり、ここに力を入れることが高評価への近道なのです。

書き出しが決まれば全体の構成も見える

書き出しの型を選ぶということは、実は感想文全体の構成を決めることでもあります。たとえば「疑問から始める」パターンを選べば、その疑問に対する自分なりの答えを結論に据えるという全体の流れが自然に決まります。「読む前と読んだ後の変化」で始めれば、自分の成長や気づきを中心に据えた構成になります。このように、書き出しの型を先に決めてしまうことで、「何を書けばいいかわからない」という悩みの大部分は解消されるのです。

ありきたりな書き出しを避けるだけで差がつく

「私がこの本を読んで思ったことは」「この本は○○について書かれた本です」といった書き出しは、多くの生徒が使いがちなパターンです。こうした平凡な書き出しは、それだけで読み手に「またこのパターンか」という印象を与えてしまいます。少し工夫するだけで、ほかの感想文との差別化が図れるということを覚えておきましょう。

パターン1~3:感情・体験から始める書き出し

パターン1~3:感情・体験から始める書き出し

パターン1:本を読んだ直後の感情をぶつける

最もシンプルで効果的な書き出しが、読後の感情をストレートに表現する方法です。読み終えた瞬間に感じた気持ちを、飾らずにそのまま言葉にしてみましょう。

たとえば、太宰治の『人間失格』を読んだ場合、「最後のページを閉じたとき、私はしばらく動くことができなかった。主人公の葉蔵が抱えていた孤独が、まるで自分自身のもののように胸に残っていたからだ。」という書き出しが考えられます。

また、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』であれば、「読み終えたあと、思わず夜空を見上げたくなった。ジョバンニとカムパネルラの旅路が、私の心にまだ輝き続けていた。」といった形になります。

このパターンのポイントは、「うれしかった」「悲しかった」という一言で終わらせないことです。その感情がどのように体に現れたか、どんな行動を取ったかまで具体的に書くことで、読み手にもその感情が伝わります。

『人間失格』
太宰治 / 新潮社

「恥の多い生涯を送って来ました」で始まる、太宰文学の最高傑作。人間の弱さと孤独を描き切った不朽の名作です。

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『銀河鉄道の夜』
宮沢賢治 / 新潮社

少年ジョバンニが銀河を走る列車に乗って旅をする幻想的な物語。友情と自己犠牲の意味を問いかける名作です。

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パターン2:自分の体験と結びつける

自分自身の実体験から書き始めて、それを本の内容につなげていくパターンです。この方法を使うと、感想文にオリジナリティが生まれるだけでなく、なぜその本を選んだのかという動機も自然に示すことができます。

たとえば、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』を読んだ場合、「去年の夏、私は受験勉強に追われて毎日のように塾に通っていた。友達と遊ぶ時間もなく、好きだったサッカーもやめてしまった。そんな日々の中で出会ったのが、ヘッセの『車輪の下』だった。」と始めることができます。

自分の体験が本のテーマと重なる部分を見つけることがこのパターンの鍵です。勉強のプレッシャーを感じた経験があれば『車輪の下』、友人関係で悩んだことがあれば『こころ』というように、自分の経験と作品を結びつけて考えてみてください。

『車輪の下』
ヘルマン・ヘッセ(著)、高橋健二(訳) / 新潮社

周囲の期待に押しつぶされる少年ハンスの姿を通して、教育と個人の自由の衝突を描いた青春文学の傑作。

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パターン3:本を手に取ったきっかけを書く

「なぜこの本を選んだのか」という動機から始めるのは、最もオーソドックスでありながら安定感のある書き出しです。ただし、「先生に勧められたから」「課題図書だったから」という消極的な理由だけで終わらせてしまうと印象が弱くなります。もう一歩踏み込んで、「なぜそのとき自分の心に引っかかったのか」まで掘り下げましょう。

例文としては、「書店で平積みされていた一冊の表紙に、私は足を止めた。どこか遠くを見つめるような少女の横顔。その目が、なぜか今の自分と重なって見えた。それが、私と『博士の愛した数式』との出会いだった。」というものが考えられます。

このパターンでは、本との出会いのシーンをできるだけ具体的に描写することが大切です。「図書館のどの棚にあったか」「誰に勧められたか」「表紙のどこに目が留まったか」など、細部を描くことで読み手もその場面を想像しやすくなります。

『博士の愛した数式』
小川洋子 / 新潮社

記憶が80分しか持たない数学博士と家政婦、その息子の心温まる交流を描いた本屋大賞受賞作。

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パターン4~6:作品の内容を活用した書き出し

パターン4~6:作品の内容を活用した書き出し

パターン4:印象的なセリフを引用する

本の中に登場する印象的なセリフや一節を、そのまま冒頭に引用するパターンです。カギカッコで始まる書き出しは、それだけで読み手の目を引く効果があります。

夏目漱石の『こころ』であれば、「『精神的に向上心のないものは馬鹿だ』――この言葉を読んだとき、私は思わずページをめくる手を止めた。友人に向けたはずのこの一言が、まるで自分に突きつけられたもののように感じたからだ。」という書き出しが効果的です。

太宰治の『走れメロス』なら、「『メロスは激怒した。』たった一行の書き出しなのに、この小説の冒頭ほど強烈な印象を残すものはなかなかない。私がこの作品を初めて読んだのは中学一年生のときだったが、この一文の力強さは今でもはっきりと覚えている。」という形です。

セリフ引用のコツは、引用したあとに「なぜその言葉が心に残ったのか」を必ず自分の言葉で説明することです。引用だけで終わってしまうと、感想ではなくただの書き写しになってしまいます。

『こころ』
夏目漱石 / 新潮社

「先生」と「私」の関係を通じて、人間のエゴイズムと罪の意識を深く掘り下げた近代日本文学の金字塔。

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『走れメロス』
太宰治 / 新潮社

友との約束を守るため走り続けるメロスの姿を描いた、信頼と友情の物語。教科書でもおなじみの名作短編です。

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パターン5:登場人物に語りかける

読み終えた本の登場人物に話しかけるように書き出すパターンは、独自性が高く、審査員の印象にも残りやすい方法です。登場人物への共感や、問いかけたい気持ちがある場合に特に効果を発揮します。

芥川龍之介の『羅生門』であれば、「下人よ、あなたはあのとき本当にそれでよかったのですか。老婆の着物を剥ぎ取って夜の闇に消えていったあなたの背中を、私は何度も思い返しています。」という書き出しが考えられます。

また、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』のハンスに向けて、「ハンス、もしあなたが私のクラスメイトだったら、私はあなたに何と声をかけていただろう。勉強ばかりの日々に追い詰められていくあなたを、ただ見ているだけだったのだろうか。」と語りかけることもできます。

このパターンを使うときは、語りかけの中に自分自身の気持ちや考えを織り込むことが重要です。単に登場人物の行動をなぞるだけではなく、「自分だったらどうしたか」「なぜそう思うのか」という視点を加えることで、感想文としての深みが増します。

『羅生門』
芥川龍之介 / 新潮社

荒廃した羅生門を舞台に、人間の利己心と善悪の曖昧さを鋭く描いた芥川の代表的短編。

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パターン6:あらすじの一場面を描写する

物語の中で最も印象に残った場面を、映画のワンシーンのように描写して書き出すパターンです。具体的な情景描写から入ることで、読み手を一気に作品の世界に引き込むことができます。

たとえば、川端康成の『雪国』なら、「トンネルを抜けると、窓の外はどこまでも続く白い世界だった。この小説を読んでいると、自分もその列車に乗っているかのような不思議な感覚に包まれた。文字を追っているだけなのに、冷たい空気が肌に触れるような気がしたのだ。」という書き出しが可能です。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』であれば、「暗い丘の上に寝そべったジョバンニの目に、天の川がゆっくりと流れていた。その光景を読んだとき、私はかつて家族で行ったキャンプ場の夜空を思い出した。あのとき見上げた星空と、ジョバンニが見た銀河は、きっとどこかでつながっている。」と書くこともできます。

このパターンは、文章力に自信がある人に特におすすめです。五感を使った描写を意識して、読み手が場面を映像として想像できるように書いてみましょう。

『雪国』
川端康成 / 新潮社

ノーベル文学賞作家・川端康成の代表作。雪深い温泉町を舞台にした、美しくも儚い恋愛小説です。

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パターン7~8:思考・問いかけから始める書き出し

パターン7~8:思考・問いかけから始める書き出し

パターン7:疑問や問いかけで始める

読者に問いを投げかける形で書き出すパターンは、読み手の思考を刺激し、続きを読みたいという気持ちを引き出す効果があります。本を読んで感じた疑問や、作品のテーマに関連する問いを冒頭に持ってきましょう。

夏目漱石の『こころ』を例にとると、「人を信じるとはどういうことだろう。友人を裏切ってまで恋を選んだ先生は、本当に間違っていたのだろうか。夏目漱石の『こころ』を読み終えた今、私はその問いに対する答えをまだ見つけられずにいる。」という書き出しになります。

また、三島由紀夫の『金閣寺』なら、「美しいものを壊したいと思ったことはないだろうか。多くの人が首を横に振るかもしれない。けれど、三島由紀夫の『金閣寺』を読むと、その衝動がほんの少しだけ理解できるような気がしてくる。」と書くことができます。

疑問形の書き出しで気をつけたいのは、投げっぱなしにしないことです。冒頭で提示した問いに対して、感想文の最後で自分なりの答えを示す構成にすると、全体がきれいにまとまります。いわゆる「問い→答え」の構成は、論理的で読みやすい感想文を書くための王道パターンです。

『金閣寺』
三島由紀夫 / 新潮社

美への執着と破壊衝動の狭間で揺れる青年僧の内面を、圧倒的な筆力で描いた三島文学の最高傑作。

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パターン8:常識の逆を突く書き出し

一般的に正しいとされていることや、当たり前だと思われていることの「逆」を書き出しに持ってくるパターンです。読み手に「えっ?」と思わせることで、強烈な印象を残すことができます。

たとえば、「私は読書が嫌いだ。」という一文から始めて、「私は読書が嫌いだ。本なんて時間の無駄だと、つい最近まで本気でそう思っていた。そんな私がこの感想文を書いているのは、アゴタ・クリストフの『悪童日記』という一冊が、私の考えを根底から覆してしまったからだ。」と展開すれば、その後の内容に強い期待を持たせることができます。

ほかにも、「努力は報われない。」「友達は少ないほうがいい。」「正しいことをするのは、実はとても難しい。」など、読み手の常識に揺さぶりをかける一文から始めて、それが本を読んで実感したことだという流れに持っていくのが効果的です。ただし、過激すぎる主張は逆効果になることもあるため、バランス感覚が必要です。

『悪童日記』
アゴタ・クリストフ(著)、堀茂樹(訳) / 早川書房

戦時下を生き抜く双子の少年の冷徹な視点が衝撃的。感情を排した文体が逆に深い余韻を残す傑作。

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パターン9~10:視点の転換で始める書き出し

パターン9~10:視点の転換で始める書き出し

パターン9:読む前と読んだ後の変化を書く

「ビフォー→アフター」の構成で、自分の中に起きた変化を冒頭で宣言するパターンです。読書が自分にどんな影響を与えたかが冒頭から伝わるため、感想文として非常に説得力のある書き出しになります。

具体的な例文としては、「この本を読む前の私は、『正義はいつも一つだ』と信じていた。けれど、芥川龍之介の『羅生門』を読んだ今、正義とは立場によっていくらでも姿を変えるものだと考えるようになった。」というものがあります。

また、「一ヶ月前の私に会えるなら、こう言いたい。『その本、絶対に読んだほうがいいよ。』湊かなえの『告白』は、人間という存在に対する私の見方を、根本から変えてしまった一冊だった。」という形も効果的です。

このパターンのコツは、変化の内容を具体的に示すことです。「考え方が変わった」だけでは漠然としすぎています。「何が」「どのように」変わったのかを明確にすることで、読み手は感想文の先を読みたくなります。

『告白』
湊かなえ / 双葉社

ある中学校で起きた事件を、関係者それぞれの「告白」で描くイヤミス(嫌な後味のミステリー)の金字塔。

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パターン10:まったく関係のない話題から入る

一見、本の内容とは無関係に見えるエピソードや話題から入り、最終的に作品のテーマにつなげていく「マクラ」型の書き出しです。落語の「まくら」と同じ要領で、読み手を自然に引き込むテクニックです。

たとえば、「先週、クラスの友人と些細なことで口げんかをした。たった一言の行き違いで、それまで仲が良かったのに一週間も口をきかなかった。仲直りしたとき、私は太宰治の『走れメロス』を思い出していた。メロスとセリヌンティウスの間にあった信頼は、私たちの友情とは比べものにならないほど強固なものだった。」という書き出しです。

あるいは、「日曜日の朝、テレビで戦争のニュースを見た。遠い国で起きている出来事のはずなのに、私の胸はざわついた。その日の午後、本棚から手に取ったのが、大岡昇平の『野火』だった。」というように、日常の出来事と読書体験を結びつけることもできます。

このパターンは上級者向けですが、うまく使えれば非常にインパクトの大きい書き出しになります。ポイントは、冒頭のエピソードと本のテーマの間に、読み手が「なるほど」と思えるつながりを作ることです。無理やり結びつけると不自然になるので、自然な流れで話題を転換することを意識しましょう。

『野火』
大岡昇平 / 新潮社

フィリピン戦線での極限状態を描いた戦争文学の傑作。人間の尊厳とは何かを問いかける衝撃作。

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10パターン早見表と選び方のポイント

10パターン早見表と選び方のポイント

パターン別の特徴を一覧で比較する

ここまで紹介した10パターンの特徴を、一覧表で整理します。自分の書きやすさや、読んだ本の内容に合わせて最適なパターンを選んでみてください。

パターン 書き出しの型 難易度 おすすめの人
1. 読後の感情 感情をストレートに表現 易しい 感動した本がある人
2. 体験との結びつき 自分の経験から始める 易しい テーマと似た経験がある人
3. きっかけ 本を手に取った動機 易しい 初めて感想文を書く人
4. セリフ引用 印象的な一節を引用 普通 心に残る言葉がある人
5. 語りかけ 登場人物に話しかける 普通 キャラに共感した人
6. 場面描写 印象的なシーンを描写 やや難 文章力に自信がある人
7. 疑問・問いかけ 問いを投げかける 普通 テーマを深く考えたい人
8. 常識の逆 意外な一文で始める やや難 インパクト重視の人
9. ビフォーアフター 自分の変化を宣言 普通 考えが変わった実感がある人
10. マクラ型 無関係な話題から入る 難しい 上級者・入賞を狙う人

学年別のおすすめパターン

小学生には、パターン1(読後の感情)、パターン2(体験との結びつき)、パターン3(きっかけ)がおすすめです。自分の気持ちや経験を素直に書くことが、小学生の感想文では高く評価されます。無理に難しい表現を使う必要はありません。

中学生には、パターン4(セリフ引用)、パターン7(疑問・問いかけ)、パターン9(ビフォーアフター)が適しています。中学生になると、本のテーマについて深く考察することが求められるようになるため、問いかけや自分の変化を軸にした書き出しが効果的です。

高校生には、パターン5(語りかけ)、パターン8(常識の逆)、パターン10(マクラ型)に挑戦してほしいところです。独自の視点や批判的思考が問われる高校生の感想文では、一歩踏み込んだ書き出しが差別化のカギになります。

迷ったときの選び方

どのパターンを選べばいいか迷ったときは、次の3つの質問を自分に投げかけてみてください。まず、「この本を読んで、一番心に残ったことは何か」を考えます。それが特定のセリフならパターン4、感情ならパターン1、場面ならパターン6が適しています。次に、「自分の経験と重なる部分はあったか」を考えます。重なる体験があれば、パターン2やパターン9が書きやすいでしょう。最後に、「この本を読んで、何か考えが変わったか」を確認します。考えの変化があれば、パターン7やパターン9を選ぶと、説得力のある感想文になります。

書き出しのNG例と改善テクニック

書き出しのNG例と改善テクニック

避けるべき書き出しのパターン

読書感想文でよく見られる「もったいない書き出し」を3つ紹介します。まず、「あらすじのダイジェストから始める」パターンです。「この本は、○○が○○する話です」という書き出しは、感想ではなくあらすじ紹介になってしまいます。あらすじは感想文の中で必要に応じて触れればよいのであって、冒頭に持ってくるべきではありません。

次に、「漠然とした感想から始める」パターンです。「この本はとてもおもしろかったです」「感動しました」だけでは、何がどうおもしろかったのかが読み手に伝わりません。おもしろさや感動の中身を具体的に示すことが重要です。

最後に、「言い訳から始める」パターンです。「読書感想文を書くのは苦手ですが」「この本は難しくてよくわかりませんでしたが」といった書き出しは、読み手のテンションを下げてしまいます。自信がなくても、堂々とした書き出しを心がけましょう。

NG例を改善する具体的な方法

NG例をどう改善すればよいか、具体的に見てみましょう。「この本はおもしろかったです」という書き出しは、「おもしろい」の中身を分解することで改善できます。「何がおもしろかったのか」「読んでいるとき、どんな気持ちだったか」「なぜ夢中になったのか」を掘り下げてみましょう。

改善例として、「ページをめくる手が止まらなかった。夜中の二時まで布団の中で読み続け、最後の一行にたどり着いたとき、私は興奮で眠れなくなっていた。」というように変えると、「おもしろかった」という気持ちが読み手にも生き生きと伝わります。

「感動しました」の場合も同様です。感動の中身を「涙が出た」「胸が締めつけられた」「しばらくぼーっとしてしまった」など、体の反応や具体的な行動に置き換えてみてください。抽象的な言葉を具体的な描写に変換するだけで、感想文の質は大幅に向上します。

書き出しを磨く推敲のポイント

書き出しは一度書いたら終わりではなく、何度か推敲して磨き上げることが大切です。推敲のときに確認したいポイントは3つあります。1つ目は「最初の一文で読み手の興味を引けているか」です。最初の一文を音読してみて、自分が読み手だったら続きを読みたくなるかを確認しましょう。2つ目は「書き出しと結論がつながっているか」です。書き出しで提示したテーマや問いに対して、感想文の最後できちんと答えを示せているかを確認します。3つ目は「自分だけが書ける内容になっているか」です。誰でも書けるような一般的な内容ではなく、自分自身の経験や感じ方が反映された書き出しになっているかをチェックしてみてください。

まとめ

読書感想文の書き出しは、10個のパターンを知っているだけで格段に書きやすくなります。本記事で紹介したパターンをもう一度振り返ると、感情をぶつける、体験と結びつける、きっかけを書く、セリフを引用する、登場人物に語りかける、場面を描写する、疑問で始める、常識の逆を突く、ビフォーアフターを書く、無関係な話題から入る、の10種類です。

大切なのは、どのパターンを選ぶにしても「自分の言葉で書く」ということです。例文はあくまでも参考であり、そのままコピーするのではなく、自分の読書体験や感じたことに合わせてアレンジしてください。同じ本を読んでも、感じることは人それぞれ違います。その「自分だけの感じ方」を大切にすることが、よい読書感想文への第一歩です。

書き出しさえ決まれば、読書感想文の半分は完成したようなものです。まずは今回紹介したパターンの中から一つ選んで、気軽に最初の一文を書いてみてください。完璧でなくても構いません。書き始めてしまえば、言葉は自然と後からついてきます。

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この記事を書いた人

文芸Webマガジンあけぼのの編集部です。

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